ある日のこと。友人と遊んでいたのだけど、昼ごはん何食べるか決まってなくて「どこ行こうか……」とGoogleマップをポチポチしながら良さげなお店を探していた。
どれもアリではあるんだけど、なんだかんだ決定打に欠ける……こうなると中々決まらないのは予想に難くない。
あれはこれは?と近場のお店を出してもどれもしっくり来なかったので東横沿線まで検索範囲を広げることにした。武蔵小杉とか大倉山の辺りは飲食店が多くて、その辺メインで探していたのだけど、ちょっと興味深いお店を見つけた。
それはスペイン料理のお店なんだけど、営業時間が短い。昼に4時間しかやってなくて、夜はやってない日の方が多い。しかもスペイン料理ってちょっと珍しいよね。
これに僕のセンサーが反応した。この店、恐らくご高齢の方が半ば道楽出やっているタイプ。そういうところは味に外れがない。営業時間はそう長くない。他の選択肢を長考している間に店が閉まってしまうかもしれない……
ということで行ってみることにした。お店の名前は「コスタデルソル大倉山」恐らくスペイン語。知らんけど。
メインストリートから一本外れた裏路地。そこにひっそりと佇むオシャレな外装の店舗だった。
一目でスペイン料理だと分かる国旗。欧州風の外装。営業中と分かっていても門を叩くのを躊躇するオシャレ感だ。
意を決して扉を開くと、出迎えてくれたのは若々しい老婆だった。僕の予想は間違ってなかったらしい。これは当たりだ。
ランチメニューは主にパエリア……いやパエーリャがメインらしい。様々な種類のパエーリャがメニューには並んでいた。僕はきのこのパエーリャを注文。
しばらくして最初に来たのはサラダ。何の変哲もないサラダに見えるかもしれないが、特筆すべきはオリーブであろう。種入りオリーブが一個まるまる入っている。あんまり造詣は深くないけどなんか地中海っぽいね。
こちらがメインのきのこのパエーリャ。重厚で芳醇なきのこの香りをレモンの爽やかさが食欲を掻き立てる。上に乗ってるパリパリの肉は……ハム?生ハムの原木が店内にあったけど、あそこから切り出しているのだろうか。
なんか自分のイメージするパエリアとは全然違い、どことなく家庭的な雰囲気がある。味も同様に落ち着いており「これスペインの家庭で出てきそう」と思わせる。他人の家庭の味ってかんじ。
最後はコーヒーとデザート。これなんてったっけ?ムスク?モッツァレラ?名前思い出せないけどカタカナデザート。
これがね、舌で蕩ける感じでめちゃ美味かった。えなんなんだろこれ。プリンとヨーグルトの中間みたいだ。
ーーご馳走様でした。
いやぁオシャレで美味しいスペイン料理だった。裏通りの隠れた名店って感じかな?と思ってたけど、予想以上に客入りが多かったので、確実に食べたいなら電話予約しておく方がいいかもしれない。