1月、ロシアから降りてきた冬将軍が日本全土を襲った。福岡も例外ではなく、平均気温がマイナスになるという異例の事態が発生した。
ほんとに寒くて、寒波の前日はバイトが駆け込み需要でクッソ忙しかったし、暖房を止めたら死んでしまうから電気代が怖くて仕方ない。
しかも我が家はめちゃくちゃ寒くなるとお湯が出なくなる不良物件。今回の例にもれずお湯はまったくでなくなって、お風呂屋さんに行く羽目になった。まぁサウナで整ってきたからそれはいいんだけどね。
――と、ここまでは寒波が来るということで想定内。
しかしさすがは大寒波。想定外の出来事も起こってしまった。
それは夜中の出来事。僕はすっごい水音で目を覚ます。しかし、この安物件では大雨が降ると雨音がすごいのは日常茶飯事。特に驚くことではない。僕は再び眠りについた。
朝日が差してきて目が覚める。時刻は午前7時。夜中に聞いた雨音は未だに続いている。
……何かがおかしい？朝日が差しているのにこんなに激しい雨音がするだろうか？どこかで水道管が破裂でもした？だとしたら確認しなくちゃならない。
まず洗面台。うん、お湯は未だに出ないけど水はきちんと出るから大丈夫。
――キッチン。うん、問題なし。
残るはベランダに置かれている洗濯機のみ。
僕はちらりとカーテンを開いて、ベランダの洗濯機を確認する……と、そこにはガラスに向かって激しく噴射する水。夜中から聞こえていた水音の正体は、ガラスに噴射される水だったのだ。
……うん。途中からそんな気はしてた。だって明らかにベランダから聞こえてくるし。よく確認すると、蛇口から洗濯機につながるホースに亀裂が入ってしまい、そこから水が噴射しているみたい。うーわ、これ一晩中この状態だったってこと？水道代えぐいんじゃない？こわー。
なにはともあれ原因が分かったなら止めなくてはならない。僕はびしょぬれになりながら元栓の蛇口を閉める。冬の外(ベランダ)でびしょぬれになるのはマジで寒かった。
アマゾンで新しいホースを注文。届くのに数日かかるみたいだし、その間はコインランドリーかな。
と、想定外の事態が起こったわけだけど、まだ水道管じゃなくてホースで助かったな、と思う。ホースなら買い替えるだけだし1000円もしないけど、水道管が破裂していたら修理費は……ああ、考えたくない。
次の家は洗濯機を置く場所が室内にあって本当に良かったと安堵する僕であった。
