ある休日の夕方。リア友の集まりで構成されているDiscord鯖に珍しい友人がいた。気になったので入ってみる。
「おっすー、珍しいね。お前がここの通話居るの」
「おー、いや今横浜で暇でさ。暇つぶしに入ってみた」
「え?横浜居んの?なんしよん?」
――そこから友人の話を聞くに、お昼にライブを見に行った後ブラブラしてたら8時から花火が上がるということなので、せっかくならそれを見て帰ろうと思って時間まで待っている、とのこと。
「ロタール来ない?お前近いやろ?」
友人はそう提案してきた。ま確かに僕横浜市内住みだし、8時なら全然間に合うけど……花火かぁ。ん~あんま気乗りしない。でもせっかく誘ってくれてるしなぁ。どうしようかなぁ……
そんな内心を全部口に出しながら向こうの状況聞いたりしていた。人はそこまで多くないらしい、思ったより寒いから厚着推奨。ほ~そうかそうか。
ん~花火あんまり興味ないけどなぁ。までもカメラの練習にもなるだろうし、せっかく誘ってくれたんだし行くか。友人と飯食いに行くと思えばいいよ。
ということで、お出かけ準備。高校の頃からの気心の知れた友人なので、特にオシャレとはしないけど、最低限ね。人里降りるときはね。
到着したのは夜のみなとみらい、正確に言えば赤レンガ倉庫。まだ花火の揚がる時間まで余裕があるので、所々でカメラを構えつつ進む。
地下鉄の馬車道駅から赤レンガ倉庫に至るまでの道中。夜ってISO感度を弄ると変に明るくなったり、逆に暗くなりすぎたりして難しい。自分の好みの明るさを見つけるまで時間がかかりそう。
赤レンガの前には花火見るための遊覧船的なのが停泊していた。東京湾の船の上で直下から見る花火。おー、ロマンチック。カップルしか乗ってないだろ、あれ。
赤レンガの海側で呼び出した友人と合流。ちなみに周りには家族連れとカップルしかおらん。男2人で花火見るってどんなイベントやねん。
そんな話をしていると時刻は8時に迫る。どうやら対岸の側から上がるっぽい。
ーードン、という音と共に夜空に鮮やかな線が走る。
お、打ち上げ始まったね。じゃあ折角だしカメラの練習しますか。
ーー中々良いのが撮れたのではなかろうか?
一枚目なんか遊覧船が真ん中に来ていて、コラ画像のような感じになっている。ヘンテコだがこれはこれで好きだ。
しばらくタイミングよくシャッターを切り続け、満足してカメラを降ろす。
花火は上がり続けている。レンズ越しと裸眼では感じ方がやはり違う。より大きく、繊細に火の線が見える。そげん乗り気じゃなかったけれど、来てよかったな。そう思うには十分だった。