明月院からの帰り道。北鎌倉駅までの道中で、気になるお店を見つけていた。鎌倉といえばカフェが多いというのは一定の層の方々ならもちろんご存知だろうけれど、それは北鎌倉の方が近いこのエリアでも変わらないようで……雰囲気の良さそうなカフェが道中にいくつもあった。
気になっていたのはその中でもかなり明月院に近い位置のカフェ。脇道に外れるように佇み、緑豊かな木々に隠れるそれは、すぐそこにあるのに隠れ家カフェとでもいうような印象を残させる。
しかし僕の嗅覚はそれを逃さない。ひっそりと道沿いに出ている看板には「お抹茶」。そりゃね?こんな和全開な場所なんだから抹茶飲みたみあるでしょ。
ということで用水路に架かる小橋を超えて、入店。店名の看板出ていなかったので、その場では名前わからなかったけど、後から調べたら「風花」というそう。侘び寂びありそうな名前だ。
扉を開くと、マジでそこには人っ子1人いない。客は勿論のこと、店員も見当たらない。ん〜、もしかしてやってない?どうしようかなぁ。
玄関すぐのところで思い悩んでいると、奥から初老の男性が顔を出す。
「いらっしゃいませ〜。お席、テラスと室内選べますがどうします?」
テラス……外か。せっかくの大自然を感じる的な意味で良さそう。他には誰もいないことですし、ここはテラス席行きますか。
テラスは向かいの道路とは木々で壁が出来ており、まだ昼間なのになんとなく薄暗い。それを知ってか、ランタンが置かれている。なんだか向かいの道路とは別世界の印象。
ここで頼むのはもちろんお抹茶。冷たいのがあるそうなのでそっちにする。今日暑いしね。
そんでうさぎまんじゅうのセットもあるそう。こういうとこでケチるべきじゃない。うさぎまんじゅうもいただこう。
お抹茶には氷が浮き、うさぎまんじゅうの方はほかほか。きなこのお団子さんもついている。思っていた以上に豪勢である。お饅頭は絶対熱いの一旦置いておくとして、まずはお抹茶から。
お~……苦味はそんなに強くなく、想像以上にすっきりとしている。結構なお手前で。冷抹茶って初めて飲むけど、ちゃんとおいしいね。抹茶特有の風味みたいなものが強いのでもちろん人は選ぶんだろうけど、僕はかなり好き。
次はうさぎまんじゅう。中はこしあんの普通の饅頭だ。しっとりとした甘さが心地よく、それをお抹茶で流す。あ~風流。木々のさえずりと向かいの道路から漏れ聞こえる人の声。落ち着いた贅沢な時間の使い方である。
冷抹茶マジで美味しかったんだけど、最後に底の方に残ったやつはちゃんと苦かった。こういうのって残してもいいのかな?分らん……茶道なんもわからん。
たっぷりと贅沢な時間の使い方をしていると、だんだんとお客さんも増えてきていた。テラス席も埋まっているし、満足したからそろそろ席を立つことにする。
鎌倉の雰囲気にあった、自然と静寂を楽しむ日本文化の代表のようなカフェだった。お抹茶おいしかったなぁ~。次鎌倉行くときはお抹茶巡りするか?