車……買えるのか
川崎には僕のお気に入りのカフェがある。川崎に行くことがあれば必ず寄るほどに好きなカフェだ。と言っても川崎ってなかなか行くことないからそんなにしょっちゅう行くわけではないけど、辛うじて顔覚えてもらえてる程度には通っている。
そのカフェは古本売ってたり、雑誌が置かれていたりする。僕はよくコーヒーを待っている間に雑誌やらを読んで時間を潰す。先日そこに行った時もそうだった。アイスコーヒーを頼んで適当な席に座り、近くに置かれている雑誌を手に取った。
その雑誌は車に関するものであり、特集で様々な人の自慢の車が紹介されていた。もう数百万円もするようなやつから、日常のオトモとしての車まで、バラエティ豊かに紹介されていた。こういう雑誌って高級車とつよつよお金持ちの人たちがいっぱい映ってるんだろうなぁ、と勝手に思っていたので新鮮。自分と同い年の人の愛車も紹介されていて、通勤に利用している愛車である、と記載されていた。
ふと気になった各車の金額に目を通してみる。金額の幅は広く、数百万から十数万、果ては五万円なんてのもあった。流石に中古車だったけど。
34万とか、53万とか、それなりの金額が並んでいる。だが……しかし……この金額、買おうと思えば買えてしまうなぁ。今すぐには難しいけど、6月にはボーナスが入る。それと今の貯金を合わせれば、中古車なら買えないこともない。
そこでふと思わされるのだ。自分はもう自家用車を持っていてもおかしくはない年齢で、それを実現できるお金も手元にあることが。
そんなに使う機会もないのでじわじわと溜まっている貯金だけど、車買うこともできるんだよね。なんかできることの筈なのに、最初から選択肢にも入っていなかった。まだ大学生の頃のグラム54円の鶏むね肉で飢えを凌ぐ感覚から抜けきっていないらしい。
よ~考えれば、友人にはもう自家用車を持っているやつも全然いるわけだ。これが目からウロコというやつか。なんか「言われてみればそれはそう」なんだけど、言われるまで意識もしてなかったことに気づいた感覚。人生において偶にあるよね。自分もこのステージに来てしまったのか……なんてしみじみ思う。
――までもしばらく車は買うつもりないけどね。東京圏ならいらないだろうし、置く場所もないし……それを買う前にそろそろ携帯の契約を親の名義から変えろってね。なんか特殊な状態に陥ってて自分ひとりじゃ変えられないんだよねぇ……