先日、我が家の近くを散歩していた時に小さな銭湯を見つけた。比較的新しい飯屋とか漫画も取り揃えてある休憩所があるタイプのやつじゃなくて、昔ながらのこぢんまりした銭湯。番台さんがいて、数人しか寛げないくらいのスペースのロビーにマッサージ機が一台だけ。
昭和からやってんじゃないの?って感じの外装。これはよい。しかも銭湯ということもあり、入湯料もそこまで高くない。最近の入浴施設は一回四桁円とか全然あるからね。やっぱ普段から行く想定なら三桁円で抑えたい。これは個人的にポイント高め。
温泉は好きだし、ちょっとレトロを感じるものも好きなのでここに行ってみることにした。在宅での仕事を定時で終えて、その足で銭湯に向かう。
外装から感じた雰囲気の通り、中もいい感じ。番台やってたのはおじいちゃん。人当たり良さそうな人である。
入湯料を払い、男湯へ。脱衣所から感じる昔ながらの雰囲気。テルマエ・ロマエとかで出てくるタイプの富士山の絵とかありがちな銭湯だ。脱衣所には正方形の、なんというか昔の洗濯機も並んでいた。歴史を感じるね。
脱衣。そしてタオルを持参した石鹸を手に浴場へ。よくあるテンプレの浴場は富士山に一つだけ大きな内風呂があるってイメージだろうけど、そこは違った。恐らくアルプスの山々っぽい壁画に細かく分かれた4つの内湯。炭酸泉、薬湯、ジェットバスなどなど……レトロな見た目に反してハイカラである。
洗体して湯舟へ。もうね、入った瞬間に沁みるものがあるね。全身が無駄な力が抜けていく感覚。違和感のない自然体への回帰。なんだかしばらく忘れていた感覚。
家がユニットバスのおかげで普段はシャワーのみである。だからこそ忘れていた。このほどけていく感じ。いいかい、銭湯ってのはサウナがメインじゃないんだ。最近はそっちの方がもてはやされているけど、でかい風呂。これだけでよいのだ。無論サウナもよいものだけど、銭湯の本質はこれなのだ。これが気持ちいい。
内湯だけでなく、外にも小さいながら湯があった。全裸で半分外に出てるってちょっと非日常だよね。これも銭湯でしか味わえない感覚だろう。露天の風呂はちいせぇのが古っぽさあっていいんだよなぁ。マジでずっと僕の好きな銭湯のポイントを突き続けてきてる。
上がったら小さな休憩所で一休み。なんだか肌の張りがいつもより良い気がする。温泉効果なのか、それともプラシーボなのか……までもどちらにしろ良い効果であるのは間違いない。