lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

夏空を見て泣きそうになるのは普通ではない

僕は青空が結構好きだ。特に晴れ渡り、空気の澄んだそれにはなんとも言えない郷愁のようなものを抱いてしまう。

 

秋晴れの空も好きなんだけど、陽炎たち登る、入道雲がこちらに迫るような夏の空も好きだ。ジリジリとした熱線と青。そこには他にない良さというか、眺めているだけで込み上げてくるものがある。

僕はそんな夏空を見るたびに泣きそうになってしまう。理由とか特になく、自然と涙腺が緩む。なので、大体みんなそういうものがあるのだと勝手に思っていた。

 

ある時VRChat(仮想空間でコミュニケーションや擬似観光ができるゲーム。無料)でフレンドとワールド巡りをしていた。いくつかワールド回ったあとに、最近新しく出たワールドということで「ひなげし坂」なるワールドへ行った。

そこは田舎の夏を再現したかのワールドだった。海沿いの斜面に並んだ一軒家。しれっとその中にはアパートもある。斜面を登った先にはバス停。いたらところに猫。僕の所感としては瀬戸内海の夏。そんな印象を抱かせるワールドだった。

 

今にも陽炎揺めきそうで、涼しい部屋で遊んでいるはずなのにじわりと汗が滲む。VRで見ているので間違いなく仮想的なものなのに、入道雲には夏の感慨を覚えてしまう。

VRChat内で撮った夏

なんだか自然と涙腺が緩む。VR付けてると涙出やすくなるってのも相まって一筋の線が頬に走る。自然と泣いていた。

そのことを一緒に遊んでいたフレンドに話すと「夏に失恋でもしたんですか?」と聞かれた。全くもって共感は得られなかった。ちなみに失恋したのは夏じゃなくて秋だ。

 

フレンド達からはほんとに共感の1つも得られなかった。「いや、泣きそうになんてなんないけど……」みたいなスンとした回答だった。うーん、もしかして夏空を見て泣きそうになるのは普通ではない?と思い始めたのはこの時だった。

気になったので他の場所でも聞いてみる。入道雲の雰囲気は好きだけど泣きそうにはならないかな、とのこと。あっ、そーなんだ。

 

他にも何度か聞いてみたけど、やっぱり同じような人はいなかった。どうやら普通ではないというのが確信に変わった。

それでも、夏空で自然と涙腺が緩むのは僕にとって大事な何かだと思う。そこにアイデンティティがいるような、いないような。言葉に出来るような、出来ないような。そんな曖昧で抽象的な情動も好きなので、他人の共感は得難いということを理解した上で、大事にしようと思う。

 

 

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おまけ。

去年のフォルダ内で一番良かった夏。