散歩
勉強をしてたんです。
仕事が終わって食事入浴を済ませ、今週末に控える資格試験に向けて勉強していた。
でも、な〜んか身が入らない。練習問題の文言が頭に入ってこなくて、いつも以上に解くのに時間がかかる。そしてそんな自分に段々イライラしてくる……
ーーよし、散歩をしよう!そう思い立ち上がる。PCの画面を落とし、スマホとイヤホンだけ持って家を出る。
外は既にどっぷりとよる。微妙な欠け方をした月が街を照らしている。
特に目的もなく歩き出すことにした。一旦は知らない所まで。勉強のことを気にしてしまう意識を無意識に追いやる。時間なんて考えない。散歩して気分転換しようって時に、直面している問題のことなんか考えるべきではない。
住宅街をステップでも踏むように歩く。イヤホンから流れる音楽は、ヨルシカの「盗作」。夜に似合う良い曲だ。
向かいからくる老人に会釈。カメラを構える人に遠慮して立ち止まり。そんなこんなで進んでいると大通りに出た。
この大通り、左側はよく行くけど右側は行ったことないな。うん、今日は右にしよう。
やけに広い歩行者用道路を歩く。この時間の大通りにしては人が少ない気がする。走る車の音と音楽だけが耳に届く。よい夜だ。
大通りをしばらく行くと、俄かにコンビニが現れる。その先はもう一つコンビニ、飲食店、スーパー。生活を支える店が立ち並んでいた。そうなるとやはり人も増える。仕事終わりのOL。ラフな格好のカップル。駐車場で誰かを待つ女性。
そんな人の営みを感じる景色を眺めて歩いていると、古本屋が目についた。あぁ、本か。いいね、一冊買っていこう。
見ると営業時間は残り30分。まぁ本一冊買うのだけなら30分で問題ない。ぼんやりと、何の目的も持たずに並んでいる本のタイトルを見る。うーん、どれもなんかしっくりこない。なーんか、ないかなぁ。ラブロマンスでも官能小説でもいいからさぁ。
悩みながら本を見てみると、いつの間にやら営業終了5分前。えぇ〜、なんかないかなんかないか……あっ。

そんな勢いで買った「恋する寄生虫」。タイトルをどっかで見たことある気がするんだよね。恋をする寄生虫と言えば、僕の小学生の頃の愛読者である「寄生虫館物語」にフタゴムシという寄生虫が紹介されていた。確かそこにこの文言があった気がするんだよね。
そんな勢いで買った小説。読み終わったら感想文をしたためようと思う。
さて、帰り道も同じ大通りを行ってもつまらない。僕はすぐ横道に逸れて、知らない住宅街の中を縫って帰ることにした。
知らない住宅街ということもあり、やはり迷う。あっち行ったりこっち行ったり。夜の街をうろうろ。おそらく30分は彷徨っていたと思う。スマホで地図開けはすぐだけど、それはしない。それじゃつまらないでしょう。
……と言っても、流石に疲れてきた……。その時にちょうど知っている道に出て安心した。
ーー帰宅。いい散歩だった。頭の中は自然とリフレッシュ。問題と向き合ってもいつも通り解けた。