「キャリアパスはどんなふうに考えてる？」
上司に聞かれて毎回回答に困る質問である。キャリアパスって言われても……将来どうしたいとか全然決まってないしなぁ。今はSEとして働いていて、技術を学びながら仕事できるのが楽しいからそれをできるだけ続けたいってのはあるけど……そのあとどうなりたい？と聞かれると回答に困ってしまう。
未だエンジニアとして突出できる将来像はないし、かもいってチームリーダーとかマネージャーは楽しそうというより大変そうだし……ああなるイメージは未だに湧いていない。
まだ自分はその段階じゃないのに、それを将来に見据えるのがなんか違和感があって、毎回「悩んでるんですよねぇ」と答えている。まだ自らのキャリアパスをこうなりたいと断定できるほどの経験を積んでいない。想像のイメージだけでこうなりたいと言えないせいでここ半年はずっとこれである。
しかしまぁ、そういうと「どうなりたいかも決まってないなら目標設定も成長もできないよね？」と言われるのである。目標設定は評価に直結する。つまりお給金に影響するので、それを言われると簡単にそうじゃないと否定もできない。悩ましいものである。
転職も視野に入れてはいるが、それを評価者に伝えるのはいかがなものか……今後も回答に悩み続けるのだろうと容易に良そうできてしまう。
――また別の時。部署の飲み会で「結婚とか考えてる？」と聞かれた。
「全然ですね……今はまだ結婚したいって感じではないですけど……」なんて曖昧な回答をした。個人的にはタイミングがあれば考えるが、このまま異常独身男性になっていくんだろうなぁと思っている。でもそれをここで答えるのは違うよなぁと思って曖昧に答えてしまう。
ここでふと思うわけである。これ、僕、会社の人から「将来を何も考えていない若者」として見られてしまっているのではないか？すっげぇ薄っぺらい若者に見られているのではないか？
そう思い至り、いや違うと否定しようとしたが……できなかった。
やりたいことはある。いろんなところ旅行してみたいし、ネット上でも色々活動してみたいし、個人でアプリケーションの開発をしてみたい。しかし、それは何になりたいかを保証しない。つまり、将来の現実的な理想像が何もない。強いて言えばFireしたいけど、それもそのために努力しているわけでもない。
自分の先が何も決まっていない。誰にいわれるまでもなく、純然たる事実。いや、どうなりたいかが決まっていない、という方が正しいのかもしれない。
仕事は必要性に駆られてやっているだけになり、それは社内では自分を担保するものにはならない。悩ましい。でも、そんなものは必要性に駆られて決めるものではないと思うし……しかし、その決断は必ずどこかで迫られることになるわけで。どうすればよいのだろうか……？
