lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

クワガタの木

夏。子供の頃は好きな季節だったけど、最近はあんまり好きと思えない季節。夏休みに友達と近所の森に遊びに行き、秘密基地作ったり。朝から晩まで海で遊んで背中日焼けしたり。トラップ作って虫を捕まえたり。いろんな夏の思い出がある。

今や森なんて蚊と危険な虫が怖くて入らないし、海なんてもう何年も入ってないし、秘密基地はマインクラフトで作っている。変わってしまったものだ。小学生の無邪気さを忘れて、人工的で安全なものに囲まれた大人として生きている。もう昔のように遊べる友人もいないし、居たとしても同じように遊ぶことはないだろう。

 

僕はこんなふうに変わってしまったけれど、自然も、社会もそう大きく変わらない。ふとした瞬間に過去と今で変わらないものを見つけてしまい、懐かしさに胸を締め付けられることがある。

 

猛暑日。どうしても冷たい飲み物が飲みたくて自販機まで歩く道中。そんな懐かしさを思い起こさせるものに出会った。

 

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ーー木、である。正式な種類は知らないが、僕はクワガタの木、と呼んでいたものだ。いや、本当に昔見たクワガタの木と同じものか?と問われると自信はないけれど、この木を見かけた時にその名前が脳裏に浮かんだ。

 

ーー僕がクワガタの木と呼んでいた木は小学校の敷地内にあった。1.5mくらいの高さで、二股に分かれていた。名前の由来はシンプル。クワガタがよくいるから。その木は蜜がよく出るのか、いろんな虫が集まってきていた。その中にクワガタが居たのだ。

小学校の昼休み。45分という短い楽園が始まると同時に駆け出し、その木に向かった。友達と競争して、先に見つけた方がクワガタを手に入れる。昼休みでも時々クワガタがいる。それを捕まえるのが夏の楽しみだった。メスだとそんなにテンションも上がらないけど、オスを捕まえた時なんてもう。友達に自慢しまくったよね。

 

毎日昼休みに通っていたのだけど、ある時友達の1人がそこでスズメバチに刺された。木のすぐ近くにスズメバチの巣が出来ていて、それを駆除しようとした教頭も刺されたらしい。

そのことがあってクワガタの木は危険視されるようになり、学校側が立ち入り禁止にした。でもその頃には夏も終わりに差し掛かっていたので、僕らの興味はそこに向かなかった。

 

ーーそんなことを街路樹一つで思い出す。今でもやりたいか、と聞かれると首を傾げるが、あの頃に戻ってもう一度無邪気に遊びたいな、とは思う。