先日、初めてマッサージ屋さんに行った。
この時、マッサージを受けながら僕は整体の先生を思い出していた。高校生の頃、酷い肩こりと猫背矯正のために週1で通っていた整体。その整体師の先生が個人的に面白い人だった。
腕に関しては言うまでもない、場末のマッサージ屋さんと比べるまでもないくらいに確実な技術がある。結構激しい運動をした後とか、体触っただけでそのことを指摘したりするマジにすごい人だ。
しかし、僕が興味をひかれたのはその腕ではない。会話である。先生は施術中にいつも話をしてくれた。先生の経験談やら、僕の日常生活の話に対して別視点から見たような話をしてくれたりする。社会について、僕が不満に感じるルールに関して話すと、それがなぜあるのか、誰にとって必要なものなのかみたいな話をしてくれる。こういう話って大抵説教臭くなるんだけど、先生の話はそうじゃないんだよね。その先生の話に納得できる上に、僕の意見を否定することもなく話してくれるので、「シンプルに面白いな」という気持ちが勝る。
個人的になんとなく思い出すのは、学割についてとか、校則、お酒、食事の変化みたいな話。自分がこれまで見たこともない視点からの話で、先生の口ぶりもあってどれも面白かった。
この話を聞くのが好きだった。
最初は肩こりの解消のために通っていた整骨院だけど、通院を続けるうちに話を聞くために通っていた。次はどんな話をしてくれるのだろうか?とワクワクしながら通っていた。3年くらい続けて通っていたいので、2年くらいは話を聞くためだけに通っていたと思う。
恐らくは、僕が興味のありそうな話に絞って話してくれていたのだろう。先生の客は老若男女様々。そんな人たちに合わせて話をしていたのだと思う。っていうかそんな話をしていた気がする。
マッサージを受けながらそんな先生のことを思い出していた。今、マッサージしてくれている方は外国人のようで、特に会話はない。まぁこういうところって会話なんてない方が普通なんだろうけど、その先生を思い出していた僕はなんだか少し寂しいなぁ、と感じていた。
あの先生は今も整体続けているのだろうか?先生の将来設計の話とかも聞いた覚えがあるけど……どうなってんのかな?なんかまた会って色々話が聞きたいなぁ……なんて懐かしくなった。福岡帰ったら連絡してみようかな。