lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

蝉と鈴虫、夏と秋

 

台風の過ぎ去った日の朝。昨日は睡眠薬のおかげで早く寝たせいか、日の出る前に目が覚めた。

外はまだ薄暗い。エアコンを付けなくても寝苦しくない。寝汗もかいていなかった。数週間前には暑くて目が覚めていたのに、多少は涼しくなってきたのだろうか?

 

起きて最初に思ったことは「喉が渇いた」一応水道水を浄水すれば飲水はあるけれど、せっかく早く起きたのだ……散歩がてらに外に出たくなる。特に理由はないけれど、朝の涼しい時間に外に出る用事を済ませておきたい。いや、用事なんてないんだけど……外に出ておくってのは定期的に必要だろうから。

 

玄関を開けて外に出ると、暗かった空は青くなり始めていた。昨日の夜は雷雨だった筈だけど、嵐が過ぎ去った静けさだろうか?ウロコ雲が見える秋晴れ。

家の外に出て、まず聞こえたのは鈴虫。秋が来てるな、と季節の移ろいを感じさせる音である。小学生の時、体育館の裏の茂みで遊び回っていた時のことを思い出す。よい月の出た10月の夜。耳に残っているのは鈴虫だ。

しかし同時に、別の音も聞こえる。数ヶ月前から鳴り響き続けている騒がしい鳴き声ーー蝉である。ジリジリとでも形容できそうな鳴き声。先日窓に引っ付いて鳴き始めた時には、1週間ほど不眠で悩まされるのではないか?と不安になったあの鳴き声だ。

 

2つの音が同時に鳴っている。夏と秋、2つの季節を代表するようなそれが鳴り響いている。

季節の変わり目ーーなのかもしれない。まだまだ暑いし、正直気温的には全然夏という気分なのだけど……音が知らせてくれるのは変化だった。

奥の空がオレンジに輝き始めている。朝焼け。夜と朝の狭間。色んなものの真ん中に居るような時間で、とても綺麗に感じた。

 

この時間に空いているのはコンビニくらい。なのでコンビニで今日の飯を買い溜めることにする。道中の薄暗い道。歩いている人は1人しか見なかった。犬の散歩をしているおばあさん。犬は黒のパグだった。電柱に放尿してた。生の営みである。

 

コンビニで適当にパンやら飲み物やらを買って、そのまま家に帰る。また家の前まで戻ってきて、さっきの朝焼けの方角を見る。日はすっかり昇っており、オレンジだった空は水玉の色に。騒がしかった虫たちはすっかり落ち着いて、耳を澄ますと鈴虫の音が聞こえる程度。

この数刻で季節が移り変ったのか?日が昇るまでの短い時間で秋に……そんなハズないけど、そんな風に思えてしまう。

 

ーーちなみにその後数時間は窓を開けて過ごしていたんだけど、段々と暑くなってエアコンをつけざるを得なくなった。やっぱまだまだ夏である。