最近急に寒くなった。セミの鳴き声も残暑の蚊もなくなって、街ゆく人の服装も変わり始めていた。何となく「秋だなぁ」と感じ始めたある日。買い物に出かける時に新たな雑草……いや、野草が生えていることに気がついた。
野蒜である。去年も同じ場所に生えていたので間違いないだろう。ただの雑草に見えるかもしれないけど、僕がいちばん好きまである野草である。
こいつの球根が美味しくてね。塩漬けにすると良い酒の肴になる。秋口から生えて春先までどんどんと大きくなる。今の時期の球根はまだ小ぶりだけど、これも中々……
夏には枯れている植物なので、こいつが生えてくると「ついに夏が終わったな」という感じがする。
ちなみに食べてみたい人は水仙と誤食することがあるらしいので気をつけて欲しい。まぁちゃんと調べれば間違えることはないと思う。
野蒜に秋を感じつつ、車道に出る。すると、またもや秋の気配。
ーー狗尾草。俗に言う猫じゃらしである。
この犬のしっぽのような姿は夏の終わりの風物詩である。雑草自体は夏にすげえ繁茂しているのだけど、この姿になるのは秋。この花穂をちぎってフリフリと遊んだ少年の頃を思い出す。
ちなみにこいつはイネ科なので食べることが出来るらしい。僕は食べたことは無いけどなんかパサパサしてそう。
次々来る秋の気配。これは視覚だけではなく嗅覚にも。
在宅での仕事中、窓を空けると香ってくるのは金木犀。独特の香りの中に甘さがある、好き嫌いが分かれる匂い。僕は好きで、使っているヘアオイルは金木犀の香り。この匂いがいちばん秋を実感する。小学校の体育館と校舎の間に生えていて、その通路が花でオレンジになっていたのは懐かしい記憶だ。
いったいどこから香っているのか?気になって少し歩いてみる。
見つけたものはもう枯れ始めていた。あ〜秋終わりです。冬来ます。
花の季節はかなりあっという間。多分1週間もしないうちに枯れ始めている。春の桜も2週間も咲いていなかったしね。季節の移り変わりは頭で思っている以上に早いことを教えてくれる。
秋を感じさせる植物たち。ようやく長く暑い夏が過ぎ去ったのを実感する。人間よりもしっかり季節を感じ取っていそう。
僕はそこまで植物に詳しいわけじゃないから、この程度しか感じ取れなかった。もう少し詳しくなれば、もっと季節に敏感になるのかもしれない。
ん〜少し勉強してもいいかもね。