12月の始め、Youtubeであの有名なSF映画が無料公開されていた。「AKIRA」である。僕も名前は知っていたのだけど、見たことはない映画だ。漫画が原作なのだけど、映画の監督はなんとこちらの漫画の作者。これだけでも力の入れようが良く分かる。
僕は意図してみようとしたわけではなく、VRChatでフレンドのところに遊び行ったら上映会をしていたのでその流れで見たのだけど、このタイミングに居合わせることが出来てよかったと思う。
前提知識として僕が知っていたのはインターネットでネタとなっている部分だけ。「さんをつけろよデコ助野郎！」とか、かっこいいバイクの止め方みたいなのしか知らない。あと赤い服の人がアキラではない、と言うことも知っている。
そんなカスみたいな前提知識で見た。以下、ネタバレあるので注意である。
最初40分くらい何を見せられているのかよくわからなかった。バイク止めるかっこいいシーンとか、隅々まで書き込まれたヌルヌル映像に感嘆の声は漏れるけれど、物語としてはよくわからない。意外とグロいんだなぁなんて思いながらクオリティの高い映像を眺めているだけだった。
ようやっと話の流れが分ってきたのは、鉄雄が完全に超能力に覚醒したくらい。この辺でようやく話を理解した。アキラがどんなものか説明されたのが大きいかもしれない。
そっからは完全にストーリーにのめり込んだよね。金田めっちゃ応援したよ。あと鉄雄、信じられんくらい綺麗な闇落ちだなぁ。今のダークファンタジーとかでもこのレベルはそうそうおらんぞ。強大な力を持った末路なんですかねぇ。
でも闇落ちした鉄雄にも情はまだあるんだよな。ＳＯＬの直撃が金田に当たりそうになった時に庇ったのはそれを感じたよね。少年の複雑で、矛盾した精神が現れた行動。うぁ、心に来るわぁ……
最後の鉄雄暴走シーンはジブリのおっことぬし様を思わせるヌルヌル具合。あとから調べてわかったんだけど、あれジブリのスタッフも手伝いに入ってたんだね。なんか納得ですわぁ。
最後の方で「鉄雄君はダメだったのよ」とか「君の友達の……」みたいな話は、かなり哲学的だなぁと思いながら聞いていた。アキラが人の心のメタファーみたいなものになってんのかな？考えさせる余地の多い終わり方だな、と思った。気持ちの良い終わりではない。
ちなみに漫画版はかなり結末やら内容もちがっているらしい。え～気になる。今度ネカフェ行ったら読んでみようかな。
個人的には名作、と言われるのも納得のクオリティで楽しかった。漫画版の方が面白いよぉ～、映画って説明しないとこ多いしって言われてたけど、話の大筋わかるし、十分楽しかったよ？まぁ確かに最初はしばらく目的もわからずあれだったけど。
もう一回くらい見ようかな。最初の方のシーンはよくわかってないところが多かったし、もう一度見ると新しい発見がいっぱいあるかもしれない。……何度見ても面白いスルメ映画、ということか。
