ある休日。僕は暇だった。いや、厳密にはやる事あるんだけど……まぁでも暇だった。
友人とディスコードサーバーで雑談しながら、のんびりしていた。その流れで、映画の話になった。
色々話した上で「今アマプラで何あったっけ?」時になって見てみる。そこで最初に目に入ったのは「ルックバック」藤本タツキが原作の映画……だったよね。ちょっと前にTwitterで情緒を壊された人達の呟きをいくつか見かけた記憶がある。
「ルックバックアマプラにあるんやけど、見る?」
僕はそう友人達に伺ってみる。
「あ〜それ1人で見た方がいいよ。黙っちゃうタイプのやつだから」
そう返されたので、んじゃあ勝手に一人で見ることにした。雑談鯖入ったまま、もうひとつのディスプレイで全画面。まぁ1時間ないくらいの映画だし、ちょっと見るのにちょうどいいだろう。
ーーあ〜舐めてました。情緒やられた。1時間たらずで目元がうるうるしてしまった!え、これ凄いねぇ。いや、話だけだと結構在り来りなお涙頂戴なんだけど……なんというか……間。間の使い方とか、台詞に出ない感情や描写が凄い。ここまで映像で魅せた上で感動話は……そりゃもう……涙腺も緩むって!
個人的に好きな台詞ナシシーンは京本がイラストに憧れを持つシーン。書店で背景画の本に出会い、その後美大に行きたいことを藤野に告げる。きっかけはこのワンシーンだけなのに、説得力がすごい。普通なら台詞で説得力を強調してしまいたくなりそうなシーンを表情だけで魅せている。
そんなシーンが多くて、最近のアニメでは見れなくなった良さがふんだんに詰め込まれていた。これだけでも充分に見る価値のある映像だと思う。
「何かに懸命に打ち込んだ人ほど刺さる」
昔Twitterで見たこんな感想をずっと覚えていた。それを見終わった今、改めて反芻する。
多分、僕には刺さってない。あの感想を呟いた人と同じ刺さり方はしていないような気がする。勝手な想像だけど、これがストレートに刺さるのは「懸命に打ち込んでいたけど砕かれた人」なように思う。
なにかのきっかけでやめてしまった人、やめるまで行かなくても楽しみを見失った人、最初に頑張った動機が突如消えて続けられなくなった人……そういう経験がある人にぶっ刺さりそうだな、と勝手に思った。
その意味ではストーリーも誰向けかハッキリしたものになってる気がする。さっき在り来りなお涙頂戴って言ったの訂正するわ。改めて考えると違うと思う。
にしても1時間ないとは思えないほど、濃密で価値のある映像だったと思う。これは見て損はせんわ。ありがとうございました。