実家に帰り中学以来の友人たちとBBQをした帰り道。すっかり暗くなった昔懐かし親しい道を3人ほどで歩いていた。
基本的には変わらない町並みである。ただ、たまに知らない家が増えていたり、知っていた店が無くなっていたり、所々に変化があった。変化の中でも変わらないものを見ると、つい昔話に花が咲く。
「あそこ𓏸𓏸ん家だったやんか。いや、土地売っぱらって引越しとーもんね」
「へ〜あのへんやったったい」
「お、小学校見えてきたぜ。懐かし〜」
「いま入ったらどれも小さいんやろなぁ」
「ってか校舎もこんなサイズやったっけ……?もっと大きなかった?」
「俺らが大きくなったってことやろーもん」
「あの公園で昔、実験やっとったんよな」
「△△がさ、火炎瓶作っとったもんね。毎回失敗しよったけど、最後1回成功してさ。火柱立っとったもんなぁ」
「今やったら捕まるぜ。いや中坊の時でも大概やけど」
ーーこんな感じに色々話しながら帰路に着いていた。街のどこ歩いてもエピソードトークが出てくるもんね。やっぱ地元って凄いですよ。街の至る所に思い出が詰まっている。知らない街を歩いてもこんなに情報量ないからね。それだけ地元が特別な土地という証明だろう。
「昔一緒に登校しよった奴らで通学路も1回歩きたいね。絶対今みたいに色々出てくるやろ」
誰かがそう言った。これにはかなり同意である。そのために帰ってくるまである。そんくらいやりたい。
言われると同時に、過去の思い出が脳裏に浮かぶ。あれは中2の時かな。一緒に通学していた友達のひとりが朝から犬のうんこ踏んで、それを洗いたいと言って用水路に入ったんよね。結局びしょびしょになって、最初より酷い状態で出てきたっけ。
あれも用水路1つで出てくる思い出だからなあ。中学だけでも3年分の記憶が詰まっているのだから、いったい何時間かかるだろうか……実際に通学路思い出巡りするなら、半日くらい見積もっておいた方がいいかもしれない。
しばらく行った交差点で友人達と別れる。ここから10分ほどは1人で帰るけれども、さっきみたいに色々が頭に出てくることはなかった。
あ〜、そうか。地元がいいと言うよりも、地元に昔からの友人と居る事がいいんだ。こんなのがしょっちゅう出来てしまうなら、そりゃ居心地はいいだろう。地元単体じゃ、1人で思う以上の感慨は出てこない。
これからも友人は大切にしようと思った。たとえ今後地元に戻らないとしても、この縁だけは切らないように努力しよう。そう強く思って帰り道を歩くのだった。