「あのミッドサマーのアリ・アスター監督の新作がアマプラで見れるようになってるよ」
VRCHATでフレンドと雑談している時にそんな話になった。ミッドサマー……鮮明に記憶に残っている映画である。
あれはホラーなのか?一体何を見せられたのか分からないけど、面白かったのは間違いない。独特の不気味さがある作品だった。
そんな監督の新作「ボーはおそれている」3時間あるらしい。え、長くない?んー、まぁでも折角教えてもらったし見てみるか。
あらすじ
治安の悪い地域に住み、実業家の母を持つボーは常に恐怖に駆られていた。浮浪者、毒蜘蛛、騒音などなど……彼は精神障害であり、カウンセリングを受けている。そんな彼は父の命日に帰省することになっていた。しかし当日、騒音被害による寝坊をきっかけに物語は歪み始めていく。
日常が歪んでいく様
以下、ネタバレ注意。
作中、様々な不気味なことが起こる。部屋を浮浪者に占拠されたり、風呂場の天井におじさんがいたり、事故ったかと思えば運ばれたのは病院ではなくファンシーな部屋だったり……しかしそれらが現実のようには思えない。あまりにも突飛なのである。
ボーが精神障害ということもあり、どこまでが妄想か現実か分からなくなる。シームレスに過去回想に行く、かと思えば次のシーンは時間がだいぶ飛んでいたりする。
とにかく不気味である。次に何が起こるのかがホントに分からない。まさに様々なモノを恐れているボーの心理を追体験しているかのようだった。
何を見せられたのか
正直に言おう。
見終わった直後の感想は「何これ」だった。何を見せられたのか分からない。なんの意味があったのか分からない。とにかく不気味ではあったけど、それだけである。最後にでてきたあの化け物は何?何の説明もないから所々の描写から推察しなきゃだし……3時間……勿体なかったかも……なんて思うくらいだった。
しかしレビューも全く見ずに数日。やっと自分の中で整理が着いた。この作品はどこまでもボーの視点を忠実に描いたものなのではなかろうか?だからこそ本筋とは無関係でも気になる描写がされるし、最後まで意味不明。きっとボーと同じ心境に陥ることだろう。そう考えると、意味の無い描写だからこそ意味がある……のだろうか?
なんかそんな感じで整理が着いた。前作のミッドサマーと同様に独特の不気味さはあるけど、後味はだいぶ違う。あとこれジャンル何になるのだろうか?雰囲気ホラー?でもゴア描写もちゃんとあるしなぁ……
これまでワザと読んでなかったネットの声を読んで、考えを整理しようと思う。