坂本龍一展【東京都現代美術館】
2月の終わりに、友人からTwitterのURLと共に「行きたい」とメッセージが送られてきた。
そのTwitterの投稿を覗くと、「坂本龍一展」。日本を代表する音楽家である彼が生前作成した作品を展示しているそう。
しかもただのアートではなく、音と時間をテーマにした現代アート。なんとも深そうな味わいのあるテーマである。
正直僕は坂本龍一をそこまで知らなかったが、即OK。現代アートって言葉が琴線に触れた。

ーーということで清澄白河駅で友人と合流。五分ほど歩いて東京都現代美術館。略してMOTに到着。もう見た目から現代アート。

中に入ると早速デカデカと。この特別展示が始まってから2ヶ月は経過しているのだけど、客の入りは良い。10分くらい並んで入場。入場券は先に友人がオンラインで取ってくれていた。
さて、この先基本的には撮影禁止。なので1部の撮影OKの箇所以外は感想のみで。
まず、今回の展示はそのほとんどがインスタレーションである。僕はこのインスタレーションの楽しみ方がずっとイマイチ理解しきれず、前半は楽しみきれなかったんだけど、この楽しみ方を何となく理解したほ後半からは純粋に面白かった。
1例として、世界中の降水量のデータに合わせて水滴が水面に落ちる展示。しかも落ちるタイミングに合わせて音が鳴り、照明の明るさも変わっていく。
僕はこれにどのような意味があるのか考えてしまったんだよね。降水量のデータって何かを暗示している?この作品のメッセージは何なのか?そんなことを考えながら他の作品も見ていたのだけど、正直よく分からないことの方が多かった。わかる部分少しはあった。
しかし途中でインスタレーションの意味を調べてから楽しみ方が変わった。
その空間自体、体験自体を楽しむ。つまりは意味とかじゃなくて、そこにいる自分も含めてアートの完成というわけで。意味ではなく、そこでの体験、感覚がこのアートの真髄なのではないか?と。そう考えてみるようになってから途端に面白くなった。


これは数少ない撮影OK展示。
天井から吊るされた箱には水が張られており、そこに霧が発生する。さらに上から照射される映像は水と霧で歪んだ形で床に現れる。
霧の不確実性でおなじ面を二度と見せることのないアート。ここに照らされている中に入り込んで写真を撮っている人がいたけど、それもインスタレーションの楽しみ方なのだろう。
チームラボみたいな楽しみ方ってこと。体感型アートってこういうことなんだなと思った。

最後には感動した展示。
ピアノがあって、そこに生前の坂本龍一と思しき人が映し出されている。彼はピアノを演奏しており、その叩く鍵盤に合わせて、空へ弾幕が打ち出される。
これは素直に凄かった。演奏を聞いている気持ちになるのに、その人はもう世には居ない。基本的に坂本龍一の音楽はBGMになってしまっていて、あまり本人を感じることは出来ない展示が多かったのだけど、ここだけは別だった。

3時間ほどかけて見終わって、カフェで一息。
楽しみ方が分かってからはかなり面白かった。でも人多いんよね。インスタレーションって特に人の多さが体験に影響を及ぼしそうなので、せっかくなら人少ない方が良かったなぁ……なんて思った。
僕は坂本龍一をあまり知らないので、彼のことをほとんど感じられなかったのだけど、よく知る人なら各展示で感じられたのだろうか……?詳しい人の感想も気になるね。