「彼女とかいるの?」「結婚とか考えてるの?」
上司や同僚から聞かれるセリフ第1位である。飲み会の席で聞かれると毎回反応が困るし、どう答えるのが正解なのかわからない質問でも上位である。
これの厄介なところが、Yes,Noだけでは大体終わらないところである。どう答えても、興味津々の中年はいないと言ったら「作らないの?」だし、居ると言ったら「結婚は考えてるの?」と、続けざまに聞かれるところだ。
僕は残念ながら彼女いないので「いません」と答えるのだが、それで会話進んでいくと、彼女を作る努力をしろ。と言う説教に行きつくわけである。これがほんとに聞くに堪えない。勘弁してほしい。「マッチングアプリでも初めて見なよ!」と言われて、愛想笑いで「今度試してみます~」っていうの気まずい。
しかもこれだけでは終わらない。次の飲み会あったら「マッチングアプリやってみた?!」なんて聞かれるわけである。こんな時に「やってない」って言ったら気まずいったらなんの。次の飲み会でも聞かれそうで今もビクビクしている。
なので、飲み会で「やってみたけどダメでした~」と言えるようにするためにマッチングアプリを始めることにした。
以前Tinderは前にやったことがあるけど、業者しかいなかったんだよねぇ。今回はちゃんと有料のものをやってみることにした。どのサービスかは伏せる。
始めて、とりあえずはプロフィール見て「いいな」と思った人に「いいね」を投げる。これでマッチングしたらメールをしてみようかな、と言う感じである。
そんな日々を3日ほど続けていると、唐突にメールが飛んできた。結構好感持てそうな感じのプロフィールの人である。なので、ちょっとやり取りしてみることにした。
ちょっとやりとりするとすぐに「デートしたい」との話に。ちょっと早くない?と思いながらも話を合わせる。
しかし……
「ホテルデートで最初なので2は欲しいです」
……2?どういうことだ……?あっ!いやまさかお金?!2万?2万寄越せって言ってるの?!それってもう、何らかの法律に引っかかるじゃん!ダメだろこれは!
そう思ったので
「お金の取引はちょっと」
とやんわり断る。すると、
「リスクあるんですからお金は当然ですよ」
みたいなことが返ってきた。僕は恐ろしくなってブロックした。やはりマッチングアプリは恐ろしい所だ……ほんとにこんなところで彼女なんて作れるのだろうか……前途多難である。