不味かったのか、舌が肥えたのか
僕は毎週1杯のラーメンを食べる生活を続けている。仕事帰りに行ったり、休日に遊ぶついでに食べたりしている。今週もそのノルマを達成するために、仕事終わりにラーメン屋さんにやってきた。
本日やってきたのは家系ラーメン。東京のど真ん中の家系ラーメンである。2年ほど横浜に住んでいたこともあり、家系ラーメンはこれまでそれなりに食べてきた。ある程度、味の良し悪しが分かるようにはなってきたんじゃないかな~という自負もある。
その家系ラーメンには待ちの列が出来ていた。これは期待できる。特製のラーメンにライス。うん、これは美味しそうである。
ワクワクしながらラーメンを待つ。ほどなくして丼到着。その時に違和感を覚える。綺麗に切りそろえられたほうれん草、卵はシンプルな煮卵のよう。なんというか……家系ラーメンなのに綺麗すぎる。まるで機械でやったような……いやな予感がする。
いただきます。まずはスープから一口。あー、豚骨強めなんだけど……なんだろ。あんまり豚骨の風味みたいなものがない……豚骨味って感じ。すごい悪い例だけど、素直に言うなら「カップラーメンやなこれ」と思ってしまった。この時点で非常に残念。
次に麺。これは……良くも悪くもない。普通のちょいふと中華麺。逆に言うと家系ラーメンらしさがない。あんまりスープとあってない気がする。いや、スープも家系のそれかと言われるとなんか違う気もするのだけど。
チャーシューだけは炙られているようで、まぁ、悪くなかったと思う。でも逆に言うとそれだけ浮いてしまっているようで、唯一良いところもなんだか素直に褒められない。このチャーシューだけ別で食べたいね。
ほうれんそうも卵も何とも言えない感じで、全体的に美味しくないなぁと思いながらも完食。いつもはつい笑顔になる僕も全く笑えなかった。週1のラーメンがこれなんて……もったいねぇ……と言う気持ちでいっぱいだった。
――ごちそうさまでした。
店を出てすごい苦い顔になる。ここまで美味しくなかった家系は初めてかもしれない。
でも、ふと思う。これはもしかしたら僕の舌が肥えたことが原因なのではなかろうか?昔の僕なら「まぁ美味い」と言いながら食べていたのではなかろうか?そう思うとなんだか少し悲しい気持ちになった。美味しいものを食べれば食べるほど、美味しく感じるものは減っていくのかもしれない。普通に不味かっただけの可能性もあるけど、受け取る自分側が変わっているとしたら……これは実は幸福をすり減らしていくだけかもしれない。少し寂しいね。