僕は新卒3年目システムエンジニア。今年度の初めから新規開発案件に参画している。今回のプロジェクトは小規模のテスト的なプロダクト開発。開発チームは3人で、かなり少人数だ。これまでやっていたのはそれなりに大き目なプロダクトの継続開発だったので、この感じは初めてである。
人数が少なくなると、自然と責任も大きくなる。これまで末端で言われたことだけやってたら良かったけど、この人数だとそうもいかなくなる。開発方針の話とか、より上流の話も出てきて、考えることも増えてくる。
そんな中で僕はこのプロジェクトの進捗を毎週部長に報告することになってしまった。本来はチームリーダーとかがやるんだけど、今回のプロジェクトの人事、なんか特殊で……僕がやらざるを得なくなったのである。かなり面倒……と言うか指摘を大量に貰うんじゃないかとかなりビクビクしていた。
しかし、初めて見れば思ったほど難しいことはなかった。進捗に問題がないか、将来的に問題ななりそうなことはないか、問題があるとすればその対応できそうなのか、そのあたりを押さえておけばそこまで突っ込まれることもない。最初は出来るのだろうか、これ……と不安だったけど思ったよりも出来た。
この結果には上司もご満悦。なんか褒められた。「視野が広がってていいじゃん」と言われた。まぁこれは素直に嬉しい。
しかし、その時ふと思ったのだ。僕は自分から何かをしたわけじゃない。上司への報告のために視野を広げざるを得なかっただけだ。それを褒められたが、それって立場が変わって見なきゃいけないとこが増えたから視野が広がっただけじゃない?それって褒められることか?やること変わったから自然とそうなっただけじゃないのか?逆に言うと、立場が変わっちゃえば大抵の「今できねぇな」と思っていることは出来るようになったりするんじゃねぇのか?
そんな風に思ってしまった。褒められたんだから素直に受け入れとけばいいのに、自分でも「ひねくれてるなぁ」なんて思う。結局できることは立場次第で、上の視座とか、広い視野とか呼ばれる物は、それが必要な仕事になれば自然とついてくるんじゃないか?よく評価に求められるそれは、結局その程度のものなんじゃないか?偉い人が評価するから、その人らが偉くなる過程で必要だっただけの視野やら視座が評価の対象になってるだけなんじゃないの?そういうの「成長」って思っていいの?
と、そんなひねくれた考えを持ってしまったのである。結局成長とかなくて、立場で考えることが変わることを、成長と勘違いしてるだけだと思ってしまった。こんなこと考えるとモチベなくなるよ~泣