名付けた橋を人に越される。悔しい
去年の今頃、僕はふるさと納税でとある橋の命名権を手に入れた。茨城のつくばみらい市にある小さな橋。本来なら名前もないであろう、用水路を渡る為だけに用意された橋だ。
僕はこの橋に「ロタール橋」と名付けた。ロタールというのは僕のインターネットで使っているハンドルネームだ。この名付けをした橋には銘板が設置され、4年ほどそれが設置され続けるらしい。期間満了したあとは銘板が納税者に送られる。
この話、個人的にはかなり面白めの話だと思っているので、会う人会う人に結構その話をしていた。「僕、橋に名前付けたんですよ!ロタール橋です!」と、VRCHATで仲良くなった人に言いまくっていた。
そんなある日。フレンド経由で仲良くなった人に、いつも通りその話をしていると、
「そこ近いかも!今度行ってみるね」
なんと喋っていた人の住んでいる場所が橋のすぐ近くだったらしい。橋も「普段使う道を1本入ったところ」だそうで……今まで行くのに1時間って人は居たけど、その距離は初めてだ。まぁ「行ってみるね」は社交辞令だろうし実際に行くことは無いでしょう。
「ーーロタール橋行ってきたよ!!」
僕が久しぶりにVRCHATに入るや否や、そのフレンドがやってきてそう告げた。
……なん……だと?え、僕まだ行ったこと無いんですけど。銘板あるのかないのか、シュレーディンガーの銘板状態だったんですけど!

しっかりと写真も撮っていて、証拠をまざまざと見せつけられる。あ、ほんとにあったんだ。実在から疑ってたけど、ほんとにあったんだ。
写真にプラスして、その橋の上を走る動画も見せつけられる。なんとコレを撮るために2回行ったらしい。ど、どっから湧いてくるんだ……その熱量。
「ロタールさんが今から行っても2番目だから」
え?……いやいや、名付けたの僕だけど?
「でも2番目だから」
煽り顔のまめひなたがそう言ってくる。こ、この野郎……知能ぶっこ抜いてやろうか……!?
名付けたのは僕だが、明確にそれを意識して最初に訪れたのは僕ではないというのは……ちょっと悔しい。
いや、嘘ついた。かなり悔しい。だって、えー!普通僕が最初じゃん!えー……まぁ「晩夏の澄み渡った青空があの橋には良く似合うやろ!」と今日まで一度も訪れてなかった自分が悪いと言われればそうなんだけどさ……
とりあえず、3番手にならないようにさっさと行かなければならない。これ以上人に先を越されるのは悔しくて堪らない。よし、そうと決まればさっさと行くぞ行くぞ!
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