バカの壁という本を昔、父親が読んでいて「面白いぞ」と言っていた。ふ~ん、と思いながらスルーしていた記憶がある。作者の養老孟子は明治神宮だったかの人が立ち入らなかった土地の生態研究に駆り出されていた記憶がある。あと教科書にこの人のなんかが載っていたと思う。
そんななんとなくの記憶が残っている本である。内容はあんまり知らないけど……
そんな本に数年ぶりに出会ったのは図書館でのことであった。ふと目に入った。過去の記憶が蘇る。そんな本あったなぁ……これも何かのめぐりあわせなのかも……ちょっと読んでみるか。
――ということで図書館で借りて、読んでみた。ま、だいたい200ページくらいだったんだけど、多分僕は内容の3割もわかっていないかもしれない。読んでわかった気になるのは、自分がバカの側にいると主張するようなもんじゃないか?と思うような内容だった。
もう入りのところで「バカの壁」とは何かは簡単に説明してくれている。
結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。
「まえがき」より引用。
これがバカの壁の正体……だと思う。これを前提としたうえで、こいつを皆超えるんや!!こいつを越えられないとみんなバカのままや!!って内容がこの本での主張になると思う。
要するに、
自分の脳の壁をぶっ壊すには体動かせ!変わらない情報だけ見てないで流転するこの世界を見て壁を越えろ!
ってことだと思った。この壁があんまりにも抽象的な内容だから、具体的な例をいくつも引き合いに出してこの壁について説明している感じだった。その例が中々秀逸で、気づかされることが多いからこそ、名著とされるようになったのではなかろうか?
僕的に面白かったのはy=axの話だ。脳を入出力を行うだけの機会と捉えるならば、xが入力、yが出力。これが頭の中のaによって変わってくるという話だ。aが無反応だとどんなに入力があっても何も出力されない。
8章あるのだけれど、章ごとに内容として挙げる例が変わる。多分これを興味持って読む人なら、どこかしらが刺さるに違いない。まぁ普段の生活に新しい視点を与える本なのは間違いないだろう。
しかし、先ほども言ったように恐らく3割も理解できていない。具体例に驚くことはあっても、そのきっかけがないと気づくことすらできないのだ。これを自分の力で超えてこそ、自分の頭の中のバカの壁を超えるということになるのではなかろうか……?