金曜日、仕事が終わった。この日は日ごろのストレスが破裂したのか、無性に濃いものが食べたかった。ニンニクかバカみたいに効いたものが食べたい。そんな気持ちでドカ盛り二郎系を食べに行った。
二郎みたいなカロリーの塊を食べた後は、どうしても眠くなってしまう。シャワーを浴びるのも億劫で、家に着くや否や、服を脱ぎ去って横になった。
気が付いたのは日が回って陽光が窓から差し込む時間だった。喉がカラカラで仕方ない。瞼が重くてほとんど前も見えない中でペットボトルを手探りで見つけ、水を飲む。
そのまま一旦お手洗いに行き、また布団に横になる。なんも考える気が起こらない。時間を見る気にもならない。ぼんやりとした意識は、また夢の世界に落ちていった。
――また目が覚める。
次は意識ははっきりとしていた。布団がぬくい。ここでダラダラとしていたい。
そんな欲望に答えて、ベットの中でスマホを見る。時間は夕方。しかし何もやる気が起こらず、無気力にスマホでYoutubeを見る。
それが数時間。気がついたら外はすっかり暗くなり、前日家に帰ってきた時間になっていた。
……一日なんもせんでおわったなぁ。ぼんやりとそんなことを思った。昨日風呂に入れていないせいで、そろそろ不快感がある。布団のぬくもりから出て、シャワーを浴びることにした。丸一日無駄にしたが、気持ちもリフレッシュ。メンタルリセット!ぼちぼち作業するとしますか。
――こういう日は、2,3か月に1度は必ず発生する。
全てを放棄して虚無に過ごす一日。やらなきゃいけない作業があるときでも、約束があるときでも、そんな虚無の日は唐突にやってくる。
かんっぜんに1日無駄にした勿体ない日ではあるのだけど、これについて僕はある程度割り切っている。学生の頃はメンタルリセットまで3日くらいかかっていたから、それに比べればマシである。
この怠惰は、僕が生きる上で必要なものだと思っている。いわば充電みたいなもので、精力的に活動するには定期的にこういう時間が必要なのだ。
勿体ない時間ではあるけれど、それがないと恐らくメンタルは長持ちしない。僕が永く人生を楽しむためにはある程度必要な時間なんだろう。
こういう時間を忌避せず、仕方ないものと受け入れて、ぼちぼち自分ができるペースで人生を楽しもうと思う。