lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

金木犀が告げる秋

僕は移動に原付を使っている。1番安いし、維持費もかからないし。何より運転中に見える景色や匂いがよい。雨の日はかなり厄介だが、そういう日は電車を使う。

 

10月のある日。信号待ちで止まっていた僕の嗅覚をなにかの香りが刺激した。この香りは嗅ぎ覚えがある、金木犀だ。

辺りを見回してみると民家の庭に金木犀。オレンジの花が咲き乱れていた。あーどおりで道路まで香ってくるわけだ。

金木犀の香りを嗅ぐと、もう秋も極まってきたかと思う。秋といえば紅葉とか、秋刀魚とか色々あるだろうけど、ふとした時に強く実感させるのはやはり香り。

中でも金木犀は強烈。幼い頃の秋の記憶も同時に思い起こさせる。

 

僕の小学校には、金木犀が植えてあった。校舎から体育館に向かう通路の辺りに。全校集会や体育の授業の移動の度に、金木犀を嗅ぐことになる。小さなオレンジの花の集団は、幼い感性にも綺麗に見えていた。今の僕だと「集合体恐怖症の人はきついだろうな」みたいなひねくれた感想もついてきてしまう。知識が肥えるのも一長一短。

 

そんな幼い頃に印象付けられた秋の象徴。それが僕にとっての金木犀の香り。多分いくつになっても忘れないんだろう。

どっかで聞いた話だけど、匂いってのは1番記憶に残るものらしい。全く覚えていなかった記憶が、香りを起因にして思い出される。

確かに言われてみれば、小学校の頃の記憶なんて金木犀を嗅ぐまで思い起こすことすらなかった。幼稚園時代の友達の家の香りは今でも覚えているし、それも間違いではないのかもしれない。

でも、春は花畑の香りをイメージすることはできる。と言ってもなんとなくの感じ。春は嗅覚より視覚の方が強いかも。残りの夏冬の香りと言われるとパッと思いつかない。強いて言えば冬はコタツみかん?んーでもなんか違う気もする。

その点秋は、香り豊かな季節と言えるかもしれない。……というよりはどの季節でも季節の匂いはあると思うけど、秋が1番いい匂いって感じか。うん、そんな気がする。

 

そんな秋の香りの代表格である金木犀が嗅覚を刺激する。変わった信号に気が付かないほどに。

 

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