lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

いつの間にか来ていた別れ

――別れ。それは人生において避けることのできない要素である。多くの場合が寂しさや悲しさを伴うが、別れがあるからこそ味のある人生になる、と言えるかもしれない。

齢22の僕でも、多くの出会いと別れを経験してきているのだから、人生の諸先輩方の経験してきた別れの数も計り知れないだろう。

 

一口に別れと言っても様々だ。おそらく多くの人がまず思い浮かべるのは恋愛関係の別れ。一度はお互いに愛し合った者たちがその道を分かつ。なるほど、悲しい別れだし、そこに涙なしには語れない物語があるかもしれない。

――卒業。これは学校という空間にいた人間たちなら一度は経験しているはずの別れだ。誰もが一度は味わう別れ。それゆえに人の数だけ味があり、必ず人生を彩ってくれる別れだ。

――死。最も重い別れだ。上記の2つはそのあとに再開もあるかもしれないが、死にはそんなものはない。2度と会うことのない、永遠の別れ。これほど心に重くのしかかり、消えてくれない別れもないだろう。人生の終わりという、最も重要な別れ。

 

そんな様々な色のついた別れだけど、これらには必ず明確な終わりがある。恋愛の別れなら「別れよう」の言葉が皮切りになり、卒業はその日が来れば避けられない。死は言うまでもなく、全ての終わり。別れは1つの「終わり」を意味する。

ただ僕たちは、その終わりに気づき、それに備えて心を整える。急激にそれが来たとしても気づかないなんてことはない。そう、普通に生きていれば別れたことに気づかないなんてことはそうそうない。

 

――けど僕は、いつの間にか別れていた。気が付いた時にはもう2度とその人には会えなくなってしまった。

僕には数多くのネット上の友人がいる。VRChatというオンラインゲームをもう3年もプレイしている。その中には昔は毎日のように遊んでたけど、今では月1程度でしか会わないような友人もいる。だから、すぐに気づけなかった。

 

「最近ゲーム内でもツイッターでもあの人見ないな」

 

そう思って確認したら、ツイッターもディスコードもVRChatのアカウントも消えていた。これがどういう意味を表すのか?簡単だ。こっちから連絡を取れない。向こうから連絡を取る意思もない。つまり現状では永遠の別れだ。

こうして僕は、気付かないうちに友人ともう会えなくなってしまった。ああ、もう会えなくなってしまったのか、と僕には選択権もない別れを突き付けられた。

 

簡単にすべてを切って別れることができるのは、ネット上の関係のいいところであり、悪いところでもあると思う。現実と違いなんの宣言もせずとも、その関係を容易に断ち切れる。そのおかげで、僕は別れに気づくことすらできなかった。そうして唐突に通り過ぎて行った別れは、僕の人生にどんな色を与えてくれるのだろう。