lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

音楽画集、幻燈【ヨルシカ】

ぼくはそれほど音楽に詳しいわけじゃないけど、ヨルシカというアーティストが好きだ。何度か記事にもしているのでここで詳細を説明することは省くが、特にコンポーザーのn-bunaさんの作る曲が好きなのである。

僕は人生で1度だけCDを買ったことがあるが、それはn-bunaさんがまだボカロPだった時に出した「花と水飴、最終電車」である。それくらいには昔から好きなのだ。

 

そのヨルシカが2年近くぶりに新しいアルバムを出した。いや、アルバムという言葉は適切では無いかもしれない。音楽画集という、画集にスマホをかざすことで楽曲を聞けるというシロモノだ。

正直最初は買うつもりなかったんだけど、この音楽画集を買わないと聴くことの出来ない曲がいくつかあるらしい。

 

youtu.be

 

このトレーラーで流れている曲のうちいくつかは、買わないとどうしてもフルで聴けないよう。

それならまぁ買うかな。ということでアマゾンで注文。

 

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着ました!音楽画集『幻燈』

どうやら音楽は専用サイトでアルバム内に記載のシリアルコードを入力することで聴けるみたい。

早速スマホにシリアルを入力して、絵にかざしてみる。

絵を認識して音楽が再生され始める。

僕は絵と歌詞を見ながらただ音楽を聴く。

 

――そうしてふと、これまでを思い返すのだ。

「僕は最近、音楽だけに時間を消費してなかったんじゃないか」と。

何かの片手間、作業をしながら、別の動画を見ながら……悪い言い方をすれば、音楽単体で楽しむことをしていなかったんじゃないか、と。

 

この音楽画集というシステムはかなり不便だ。聴きたい音楽があったらわざわざスマホをかざさないといけないし、Youtubeの自動再生で流れてくることがどれだけ楽だったのか痛感させられる。それに、一度シリアルコードを入力したら他のデバイスでは使えないので、1端末(今はある程度修正されているはず)でしか聴けない。これもたいがい不便だ。

しかし、画集の序文を読めば、それは意図したものであることが分かる。

「幻燈」のいいところでもあり、悪いところでもあるのが「本当に買った人しか聴くことができない音楽がある」ことだと思う。

今の時代、たいていの音楽は買わなくてもSpotifyとか登録しとけば聴ける。メジャーどころだけ抑えるミーハーならこれで事足りる。アルバムは、真の意味で嗜好品になっている。音楽だけをとらえるならば、どこでも聞ける。現代、アルバムを買うという行為に、音楽を聴くために買うという動機はほとんど発生しない。

 

しかし今回は、アルバムを買うことに「音楽を聴くため」という価値が付加されている。それは音楽の唯一性を担保するものであり、「ここでしか」聴けないという付加価値をつけている。

おそらく……いろいろ不便なこの仕様は、この唯一性を担保したいがために行ったことなんじゃないかな、なんて思う。

そういうところに、売れるための音楽ではなく、自身の創作のための音楽であるというヨルシカの魅力がにじみ出ているのかもしれない。

 

 

ちなみに楽曲はくそ良かったので少しでも気になるなら絶対勝った方がいい!特に「パドドゥ」と「さよならモルテン」が最高。ヨルシカ感謝。