lothar’s diary

社会人1年目のSE雑記ブログ。毎日20時更新

上手い話し方と分かる話し方は違う

会社の研修の講師の話

 

会社の研修で、実に様々な講義を受けた。大抵のものは技術的な講義で、体系的知識を獲得することを目的としている。

うちの会社では外部の研修会社に新卒研修を委託しており、講義を行うのは研修のプロ達だ。

故に大抵の講義は分かりやすく、講師たちは親身で、ある程度難しい内容でもそこまで苦労することなく理解出来てきた。

 

しかし、そんな中の1人はとびきりだった。

とびきり話が上手かった。緩急は完璧だし、合間合間に間を取ることで口早な印象を受けることもない。例え話も秀逸で、ふふっと笑いを誘う。それは集中する講義のいい清涼剤になったと思う。

 

こんなすごい話し方するもんだから、同期同士でこの講師に対してかなり盛り上がった。

そう、分かりにくい……と。話題に上がったのだ。

 

 

 

--ん?どうして?と思う人もいるだろう。話し方が上手いなら、講義もわかりやすいのでは?

では具体的に分かりにくいと思った点をあげていこう。

 

  • AisBで話してくれないから、結局何を説明されていたのか分からない。
  • 質問投げかけておいて、たとえ話で濁し明確な回答を表示しない。
  • 全体的に話が抽象的。
  • 結論ファーストじゃない
  • ホールパートホールでもない
  • 例え話が多くて、何が重要かすら分からない。

 

--だいたいこんなところだろうか。

結論。すげぇ惹かれる話し方だけど、何が言いたいのか分からない。ゆえに、講義としては分かりにくい

なんかマルチの一番偉い人の演説を聞いてるような気分。それはそれで強いスキルなんだけど、この場には適してない感じ。

これはとても不思議な感覚だった。だって話上手いなら講義も上手いと、そこにはある程度相関があると思うのが普通だろう。

それがなんということか、話は上手いのに分かりにくいのだ!

 

講義の何が大事か分からない!結局何が言いたいか分からない!例え話で濁して結論を言わない!

 

そんなのだから、講義は心底分かりづらかった。

 

だが、意外なことに講義の最終日には、その評価は一変していた。

○○さんマジで好き」なんて言う人が現れるほど。

 

これ、理屈はシンプルだ。

この講師の研修は講義をやってから演習をやるスタイル。ゆえに後半は既に聞いた説明をもう一度受けることになる。

しかもこのスタイルがほぼ同じ内容で×2

つまり似たような説明を4回受けることになる。

 

分かりにくいとは言え、経験のある講師の説明だ。4回も聞けばさすがに分かる。

そうなると、理解に苦しむ必要はなくなり、上手い話し方だけを認識するようになる。

ここまで来れば、どんなに講義が分かりにくくても既に理解している内容だから関係ない。そしたら講師はただの話の上手い人になるのだ。分かりづらいというデメリットは見えなくなる

 

それで好感度が上がった、ということじゃないかと僕は考えている。だって分かりにくくて最初の印象悪かったのは事実だし。

 

僕はその講師の話し方をプレゼンの参考にさせてもらったが……人に物教える時は絶対こんな話し方せんどこ……と思った。

自分がよく見えるより、相手にわかってもらう方が重要だからね。