上司の指摘がめんどい話
新卒として会社に入ってようやく慣れてきた頃。基本的に仕事は充実しているし楽しいんだけど、1つだけ憂鬱なことがある。
それは上司との面談である。配属されて最初の数カ月は最低月2回、個人目標設定のレビューを兼ねた面談がある。
ここで今月の目標と先月の振り返りを上司にレビューしてもらうのだけど、これが毎回憂鬱である。
前提として、うちの上司は独特の感性の持ち主だ。もちろんレビューなので指摘がいっぱい来るわけだけど、その指摘が要領を得ないことが多い。
「これってなんかズレてない?」
から始まり、例え話やら説明の繰り返しを何度もしてくる。指摘自体は的確なことが多いけど、回りくどい言い回しが多くて「結局何が言いたかったの?」となることがしばしば……
そんで「つまりこういうことですよね?」と確認をすると、もう一度説明してくる。いや、分かってんねんけど。もう分かってるから確認とったのに意味ないやん。
理解が間違っているなら、せめて間違っている所を指摘してくれ。おかげで同じ話を何度もやることになる。
そんな気持ちで毎回憂鬱なのだけど、まぁ言ってることはある程度的確だし……と今までは素直に聞いてきた。
しかし、その僕の素直さも今回を持って失われることになる。
前回の面談で、目標の達成基準に関して「もっと具体的で客観的に分かるものじゃないとダメだよね」という指摘を受けた。いちお上司は評価しなきゃいけないから客観的でわかりやすい達成基準を用意してくれ、と例も提示した上でそう指摘された。いや、本人は例しか言ってないけど。
--なので今回、その点は気をつけて目標設定を行った。いちおOJTにも時間作ってもらってチェックしてもらい、ある程度具体的で客観的な達成基準になっていると確認を貰った。
っていうか上司が遠回しの例に挙げていた話を具体的に書き出しただけなので、そりゃOKだろう。
ちなみにいちお毎回OJTも同席している。
しかし今回の面談では……
「目標が全体的に抽象的だよね」
……ええ?おいおいちょっと待ってくださいよ。言われた通りの修正してきたんですけど?それ前回あなたが言ったことなんですけど?
Aをやったら達成。Bまで出来たら◎って達成基準ってそんなに抽象的か?前回は抽象度高かったけど、指摘通り具体度あげてきたんですけど。
さて、ここまでだとただの困惑で終わるし、ワンチャン僕が読み取れていない意図があったのかな?と思うんだけど……色々言われてタジタジになっている僕を見かねたOJTが「ちなみに目標のどこが抽象的になってますか?」と質問してくれた。
しかしそれに対する回答は、
「……例えば、『意識できた』みたいな文言はNGだよね」
だった。ちなみに今回は「意識できた」なんて文言1度も使ってない。それじゃ具体的じゃないからね。
……と、ここで僕は確信した訳だ。
「あーなんか言わなきゃいけないから、とりあえず言ってる感じね」と。
そして最後に、
「もう少し目標具体的に出来たらいいかな」
と仰った。
あー……具体的って言葉さ、それだけだとかなり抽象的なんだよねぇ。
「もっと具体的に」という言葉だけだと抽象的なんすよ……もっと具体的に指摘してくれません?
あー、これはこの面談意味ないな。なんて思ったけど、やらなきゃいけないものなので仕方ない。のらりくらりと躱す方法を考えるとしよう……