「金曜ご飯行かん?」
地元の友達から唐突にそのようなメッセージが来た。
--いや僕今関東やが?飯のためだけに福岡まで帰ってこい、と?
なんて思ったが詳しく聞くと違うっぽい。
どうやら内定式で東京に来るので、そのタイミングで飯に行かないか?ということっぽい。
その友人が東京の企業に就職することは知っていたので納得。
去年あった自分の内定式がオンラインだったから、すっかり頭から抜け落ちていた。
こちらに来ると言うなら断る理由は無いね。久しぶりの地元の友人。うん、少し楽しみだ。
……というわけで、華金の新宿。3000円ちょいの食べ飲み放題に来ています!
まぁ何を語るの前に、とりあえず乾杯!
定期的に連絡は取り合っている仲なので、だいたいの近況はお互い把握している。
んでも積もる話というのはいくらでもあって……各々の近況、未来の話に花が咲く。
会社、恋愛、友人etc……話のタネは尽きない。
そんな折、
「方言抜けた?もう東京に染っちまったか」
なんて聞かれた。僕は反射的に
「そんなわけなかろ?心はいつでも福岡よ」
なんて答えた。まぁ方言は実際抜け切ってないからね。その点で言えば都会に染まってはいないよ。
ただ、ふと今日僕が話していたことを思い出すのです。
「いやぁ〜地元帰りたくなるねぇ」
「この辺で3000円ちょいでこれなら上等でしょ」
「こっちのラーメンはねぇ……うん、豚骨はなかなかないね」
--なんて語っていたのを思い出す。
まるで地元で県外の友達を迎えた時のようなセリフだ。そんなことを思うと、自分が気づいていないだけで段々と都会に染まっているのではないか?なんてことを思った。
僕は僕をまだ東京という都会の部外者、と認識しているけども、地元から来た彼にとっては都会に染まった地元の旧友、に見えるのではなかろうか?
そう思うとなんか少しぞっとした。こうして気づかないうちに地元のことが薄れていくのかな、なんて。そんな寂しいことに気づけないのか、と。
2時間の食べ飲みを終えて、少し時間があるので歌舞伎町観光へ。かの有名なトー横からホスト街を練り歩く。
友人は「うわこれが東京かぁ」なんて言いながら楽しんでいた。かなり新鮮な光景だそう。
んでもこれに関しては、僕にとっても新鮮だった。「東京ってこんなに治安悪いんだ」やら「ホストの広告画質良すぎないか?」なんて言いながら夜の都会を楽しんでいた。
--歌舞伎町がまだまだこんなに新鮮なんだから、全然都会に染まってないんだろうな。
……なんて、眩い広告を見ながら自分に言い聞かせた。