飲みのお誘いが入った。場所は未定とのことだったが、予定は空いていたので了承。
予定日の1週間くらい前に店を予約したようで、どこでやるのか共有された。
飯田橋、というところのバルでやるらしい。
全然聞いた事のない地名だったのでちょっと調べてみる。おー、東京の真ん中だねぇ。近くに神楽坂っていう場所があるのね。ふむふむ……なんか色々ありそうじゃない?
そう思った僕は飲み会よりも少し早く行って、飯田橋探索をすることに決めた。知らない街を歩くのはそれだけで楽しいものだ。
集合予定が6時なのでその1時間半前、4時半につくように行った。
東京メトロで到着して、地上に出る。
最初に出たのは結構長めの坂。そして両側には所狭しとお店が立ち並んでいる。
看板を見る限り、ここが神楽坂っぽい。見覚えのあるチェーン店から老舗っぽい風格のある店まで、ジャンルはてんでばらばらだ。
坂を登りながら歩いていると、めちゃくちゃ見覚えのある店を見つけた。チャイハネである。エスニック雑貨とか色々売ってるお店で、中華街にいっぱいある。
ちょうどお香を切らしていたので、ここで買っていくことにした。コーン香というタイプのお香を使っているので、匂いを嗅ぎながらどれにしようか選ぶ。
以下は使用例。
こんな感じのやつ。
結局悩んだ末に、2つ購入。
名称はよく分からんけど、タイとかにありそうな独特の香りのやつだ。ちょっと甘い。
チャイハネを出て、また坂を登る。美味しそうなラーメン屋さんがいくつもあってとても興味が引かれるけど……この後飲みだから我慢である。
んでもちょっと小腹空いちゃったなー、なんかないかな?
--と、ちょうどよく和菓子屋さんが目の前に。梅花亭、というお店だ。だが店名よりも気になるのは「のぼり」
「鮎の天ぷら最中」
???????……なんそれ?
どーしても気になったので、買ってみることにする。300円ちょい。
シンプルに鮎の天ぷらの形をした最中だった。中身はこしあんと白あんを選べる。
ちなみに取り出した時に尻尾が折れてしまった。……脆い。
最中としては、優しい甘みにサクサクの衣。和菓子特有の落ち着く味だ。
最中を食べ終わって、今まで登ってきた神楽坂を下っていく。目的地は反対方向だからね。
途中でそれっぽい道を見つける。
枝垂れる柳に「神楽小路」
中々に良い雰囲気の小路だ。こういう場所を一眼レフとかで撮りたいのよね。
ちょっと気になったので入ってみる。
閉まっている店が多いけど、下町感のあるいい路地だ。
神楽小路からさらに横道。みちくさ横丁というところがあった。
この古ぼけた雰囲気、大好物である。
よすぎる。このエモーショナルは語れば語るほど失われていく。フィーリングで感じとって欲しい。
神楽坂を降りきって、飯田橋へ。
巨大なビルと夕焼け。このすぐ近くにみちくさ横丁があるのだから、東京というのは不思議な土地である。
なんか雰囲気のいい橋。年代物かな?と思って調べたら、牛込橋という名前の橋で平成8年にできたものらしい。
しかし、下の堀は江戸城防御のためのもので、少なくとも江戸時代からあるものだそう。
なるほど、年代物だったのは堀の方だったか。ちなみに橋自体は平成8年のものだが、この場所には1636年から橋が掛けられ続けているそう。それを聞くと趣深さも納得だ。
――牛込橋を眺めながら黄昏に耽っていると、声をかけられた。今日一緒に飲む予定の相手だった。
どうやらいつの間にかいい時間になっていたらしい。