葬送のフリーレンのアニメをみた。
最初っからエンディングが続いているようなエピローグが続いているようなお話で、最初から泣きそうになってた。ノスタルジックの連続と、絶妙な間のあるアニメで見ていると心がじんわりとあったかくなってとても良い。
一気に最新話までみてしまったのだけど、見続けているうちにじわじわと来るんだよね。最新話のクソデカハンバーグの話とマジで良い……シュトルツ兄さん大好き……
ーーってなってとても良いアニメだな、と感動していたのだけど、このアニメを彩るOPもなかなか良い。
フリーレンのOPはYOASOBIの勇者。推しの子のOPである「アイドル」が大ヒットしたあのYOASOBIである。
最初の曲である「夜に駆ける」から知っているアーティストだけど、このアーティストの特徴として、「元の小説がある」ってのがある。
「夜に駆ける」は「タナトスの誘惑」という短編小説がもとになっている。昔これを知った時「メディアミックスしやすそうだな」なんて思った。原作の味がそのまま歌詞にでてくるのだから、その原作好きな人はもれなくその曲も好きになっちゃうだろうし、そもそもYOASOBIの曲自体が良いからね。
これはYOASOBIの強みで、その強みは「勇者」にも出ている。
フリーレンを原作なので、作品中に出てきたフレーズがたくさん出てくる。もう歌詞全部物語とリンクしてんのよね。だからこそ、物語が進むごとに歌詞に意味が付いてきて、そこからリアルな描写が想像できるようになってくる。
しかもその描写がかなりストレートなんだよね。例えば2番の歌詞の
あちらこちらに作ったシンボルは
勝ち取った平和の明石
それすら 未来でいつか
私が一人にならないように
あの旅を思い出せるように
残された目印
これなんてもうそのまんまじゃん!!ヒンメルじゃん!!作中で言ってたじゃん!!
こんなんフリーレンの気持ちになっちゃうじゃん!!「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」ってなるじゃん!!
――って感じでね。思い返しちゃうわけですよ。
ストレートに作品を表現するからさぁ、どこ切り取っても物語の一節になるんだよね。
「アイドル」の時も思ったけど、作品から印象的な一節を切り取って歌詞にする能力が高すぎるんよ……曲調も作品の雰囲気と合ってるしさ……最初ゆっくりなのは無感情なフリーレンを想像され、サビでヒンメルに対する後悔、二番はその後の旅を語っているような……それが歌詞だけでなく曲調からも分かる。それがいいんすよ……
作品を知るたびに曲にも色が付く。聞くたびに、物語を思い返しじんわりと心が温かくなる。そんな良い曲だな、と思いました。