年末年始。福岡に帰省。したらばやらなくてはならないことは決まっている。博多豚骨ラーメンを食すことだ。
しかし、博多で食べたラーメンは個人的には豚骨を食べた!!と言いきれないタイプのラーメンだった。つまり僕のラーメン欲は不完全燃焼だったのである。豚骨ラーメン食べたい!俺の魂がまだ豚骨を求めている、と。
この不完全燃焼をもって神奈川に帰るかぁ……と思っていたのだが、思わぬ所で僕の豚骨欲は満たされた。
福岡から神奈川への帰宅途中。友人と遊ぶために寄った北九州は小倉。合流した友人が案内してくれたランチはなんと豚骨ラーメンだった。
栗ちゃんラーメン。ここが美味しいらしい。
店舗の入口を開くと冬を感じさせてないほどの熱気。そして老舗豚骨ラーメン特有のヌルついた床。ふむ、これは間違いない。求めていたタイプの豚骨に違いない。
……まぁ正味床はちゃんと掃除して欲しいけど。
ここはどうやら替玉がないとの事だったので大盛りラーメンを注文。替玉をカエシで食べるのもしたかったけど、無いものは仕方ない。兎に角ここは美味しい豚骨の予感がビンビンする。期待しかない。
こちらがそのラーメン。
おいおいおい!キクラゲおるやんけ!ネギと薄切りのチャーシューも!このシンプルさが福岡の豚骨やんなぁ!
あでも海苔もおるんや。珍しいね、君。
では、いただきます。まずはスープから1口。
--眠気を覚ますような豚骨が鼻を通る。家系ラーメンの鶏油とは違う、豚骨特有の膜を張るような脂。ともすれば白い脂の塊が出来そうなスープ。しかしキメ細やかなそれは舌に異様に馴染む……
うん、これだよこれ。求めていた豚骨ですわ。家系みたいな濃さじゃなく、豚骨本来の味を出し切るスープ。そしてそれを邪魔しないレベルに抑えられた具材。正解。これ今の僕にとっての適合食材。
麺も程よい細麺。一気に啜るのが気持ち良い。麺に滲むしっとりとした豚骨。地元で味わいたかった味がここにあった。
「行ったことない店行って冒険せず正直に長浜行きゃ良かったな……」なんて後悔が吹き飛ぶ。まさか小倉で出会えるとは。ありがとうIさん。
あっという間に完食。とっても美味しゅうございました。
お会計を済ませて外に出ると、冬の凍てつく寒さが肌を刺す。思わず上着を羽織る。いや、店の中あったかすぎるでしょ。ここまで温度差がある店初めてだよ。その点でも驚きだよ。
んでもとても美味しかった。不完全燃焼だった僕の豚骨欲も燃え尽き、関東の新たなラーメンに対しての欲がふつふつと沸き始めていた。
満足だ、ご馳走様でした。