排水溝の掃除をしていた。洗剤をかけてシャワーで流し、奥の方に溜まった髪の毛を取って捨てる。今の時期は毛の生え変わりが早いなぁとか、だいぶ髪伸びてきたな〜とか思ってた。
そんでふと、この間行った風俗で相手をしてくれた女性がパイパンだったことを思い出した。ちなみに今僕もパイパンである。でも温泉とか行くとパイパンの男性ってまず居ないよね。女性だとどうなのかは全然知らないが、男性は剃ってる人はほとんどいなかったと思う。
と、この流れで帰国子女の友人のことを思い出した。今は福岡で音楽活動をしている尊敬すべき友人だ。彼は高校までアメリカですごし、大学から日本に来た。しかしまぁ日本語ペラペラで、すごいイケメン。非の打ち所がない良い奴だった。
そんな彼と銭湯に行ったことがある。その時に彼と陰毛の話をした。
彼いわく「アメリカいた時は剃ってたけど、こっち来てからは生やすようになったかな」とのこと。
理由を聞いたら、「周りがそうだから」
つまりアメリカでは剃っているのがスタンダードということだろう。しかし日本では違う。女は知らないが男は生やしているのがスタンダードである。こんなところに文化の違いがあるのか、と面白がって聞いていた。
陰毛ひとつとっても異文化を感じられる。それが可笑しくも重要なことに思えて何となく覚えていた。
アメリカではパイパンだった彼は日本では生やすようになった。それはその行為に特別こだわりが無く、ただ周りに合わせてやっていたからだと思う。それは何ら悪いことじゃないし、郷に入っては郷に従え、というように異文化に混じる意味では正解な行動だろう。
センシティブな話だからあんま語られないけど、こういうところに文化交流ってあんのかな……とぼんやりと思う。
まぁ日本でパイパンだと浮くしね。大学時代、友人と温泉旅行行ったことがあるんだけど、そん時僕パイパンだったのめっちゃ面白がられた記憶ある。帰りの車内で「でもお前パイパンやもんなぁ笑笑」ってなってた記憶ある。それが面白いくらいには普通では無いのだ。それなら生やした方が楽というものだろう。
そんな文化の差について、陰毛一つでぼんやり考えた。いや、そもそも排水溝の掃除してたんだった。まぁひと段落着いたしシャワー浴びますか、とそのまま服を脱いでシャワーを浴びる。
自分の股間に目を向けてみる。つんつるてん、である。僕のこれはアメリカの文化によるものでは無い。強いて何かと言われると、多様性とかそんなもんだと思う。
陰毛一つで異文化とか多様性とか大層なもんだ。そういうのってこんな日常に根ざしてんだな……なんて。