ある日バスに乗っていると、ある張り紙が目に入った。
夏休みの間、小学生は運賃均一50円!!
的な内容だったと思う。
中学生の時、ラウワン行った帰りに交通費なくて友達に借りたこととか、友達と旅行に行って高速道路の代金僕が立て替えてたら帰ってこなかったことを思い出して「めっちゃいい。大いに遊びな、小学生」
と綴ったのだけど、高校の頃のとあるエピソードを思い出した。
高校の頃、肩こりからの頭痛に悩まされていた僕は、とある個人経営の整骨院に通っていた。美容院の一室を借りて、そこで先生が1人でやっていた。整骨院とも言えないかもしれない。
1人でやってたもんだから、毎回その先生が施術してくれた。……んだけど、その人の話が面白くて通っていた節がある。
施術中に色々話をしてくれたんだけど、まだ社会など知らぬ学生にとってはウィットに富んでとても興味深い話だった。毎週通ってたんだけど、高校卒業まで通えてたのは、ひとえにそのおかげだと思う。
んで、そんなお話のうちの一つ。
どーいう流れでそうなったかは覚えてないけど、学割の話になった。世には学割がめちゃくちゃあるから、学生のうちに使えるものはどんどん使ってけって。
そんな話をするうちにふと疑問に思った。
「学割ってやる側にはあんまメリットなくね?」
いや、確かに集客のひとつの方法にはなると思う。自動車免許とかは、大学生が多いからもろに刺さる。しかし、例えばラーメン屋とか、そういう場所って学割でめちゃくちゃ収益増えるわけでもないと思うのだ。
僕はこの疑問を素直に先生にぶつけた。
いま思えばクソ失礼だったと思う。というのも僕も学割を使って整体を受けていたので、まさにメリットを享受してる側がそれを言うか、みたいな。
でも先生は素直に答えてくれた。
「確かに学割って利益にはならないかもだけど、一種の社会貢献みたいなもんだよね。学生がお金ないのは周知の事実だし、それでも様々なサービスを受けられた方がいい。そう思って俺は学割をやってるかな」
ざっとまとめればそんな感じだったと思う。そんときの僕にはそんな視点は全くなく、もう利益が最優先!ってのが商売だと思っていた。
でもそうじゃないことも多くある。少なくともこの人はそういう人なんだと、そんな不躾な質問をした自分がちょっと恥ずかしくなった。
そんな昔のちょっと、恥ずかしかった話。