最近キタニタツヤをよく聞いている。元々BLEACHとか呪術のOPで「結構いいな」と思っていたんだけど、妹が聞いていたことがきっかけでめちゃくちゃ聞くようになった。
んでね、ハマった曲の順番的なものがあるんだけど、
「青のすみか、スカー」→「素敵なしゅうまつを!」→「moonthief、化け猫」→「Cinnamon」←イマココ
――って感じなのです。今「Cinnamon」がめちゃくちゃきているのです!!これ順番的には「爽やか→中二→なんか気持ち悪い→絶妙なエモさ」って感じで流れてきている気がする。キタニタツヤの楽曲の幅広さが出てる感じだね。
ということで今キテる「Cinnamon」について自分の好きなところをひたすら上げるだけの記事です。よろしくお願いします。
知らない人はとりあえず一回聞いてみてね。
僕はメロディーとかに関してはド素人なので「なんかいい」で聞いている。なのでその点に関しては良いから聞いてみてくれ!!としか言えない。個人的にキタニタツヤがキテいるのは「歌詞」なんだよね。
まず、シナモンってのは香りとして出てくる。記憶に残っているシナモンの匂い、その匂いが過去のあの人と結びついていることを仄めかす程度に明かす。そう、匂い=過去の溺れるほど近くにいた誰かを示している。それがルームフレグランスのような存在感で歌詞に居る。
この感じがエモいんだよな……匂いという感覚は絶妙に人の情動を揺さぶり、想像力を刺激する。見えない形のないものだからこそなんだろうけど、その感覚と結びついた言語はその効力だけを引き継いでいる。
おかげで歌詞から滲み出る匂いがある。ちゃんと読んでみるとずっとそのことしか語ってないのに、「なんか香ってくる?」くらいの感覚になるのだ。
歌詞をそのまんま解釈するなら、過去のあの人はもう近くに居なくて、でも忘れられないせいで、おんなじ匂いの誰かで満たそうとしている……でも何か違う。満たされない。
――みたいな雰囲気を感じる。その喪失感もエモさを加速させるのだろう。「エモさ」と一言で片づけるにはあまりに形のない「良さ」なんだけど、その言葉がどうしてもしっくり来てしまう。
個人的にかなり好きな歌詞は
愛をもっとくれないか
苦くても構わないよ
これ。過去に失ったものを補おうとするあまり、それが何でも構わない。例え自分を蝕むものであったとしても、喪失のままの方がつらくて耐えられないって感情をオシャレなフレーズに包み込んで凝縮させたような……そんな感じがとても好き。
あと、歌詞に「麝香」が出てくることからも、シナモンの匂いがテーマではないんだろうね。匂いで想起する様々なものの婉曲表現に例えを重ねた結果出力されたのが「Cinamon」だったのだろう。
そんな風に感じる、今個人的にキテる曲です。気になったらもっかい改めて聞いてみてね。
Cinnamon / キタニタツヤ – Cinnamon / Tatsuya Kitani - YouTube